飯野謙次『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』
発売日:2017年2月1日
出版社:文響社
著者:飯野謙次
1959年生まれ、スタンフォード大学工学博士
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了後、General Electricへ入社。
その後スタンフォード大で機械工学・情報工学博士号を取得。
失敗学会副会長。
なぜこの本を読んだのか。
わたしは失敗することが怖いです。
自分ではどれだけ注意しているつもりでも、
仕事でもプライベートでも失敗をします。
特に仕事での失敗については引きずるし、落ち込むし、
自分なんてダメだと思って、仕事を辞めたくなります。
『失敗』は『成功』のもとなんて言いますが、
失敗後のストレスが強すぎて失敗したくないんです…
他人に迷惑をかけるのが一番嫌なのかもしれません
もしかすると、他人に借りを作りたくないというエゴかもしれません…
良い失敗は成功につながる失敗、
悪い失敗は注意不足やケアレスミスによるもの。
良い失敗は、新しいことにチャレンジするときに起こるものですよね?
なんとなく前向きなイメージ。
一方で今わたしがなくしたい『失敗』は悪い方の失敗
自分の注意不足で引き起こしてしまう、
なんとも後味の悪い失敗の方です。
実はわたし、先週末に仕事で失敗しました。
なんなら、その前の週にも失敗したばかりなんです。
この後悔と繰り返すミスをなんとか消したいと思って
読んでみました。
失敗を防ぐためにはどうしたらよいのか?
この本の内容を端的にまとめると以下のようになります。
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p189仕事で起こる失敗というのは、
「注意不足」「伝達不良」「計画不良」「学習不足」に分類でき、
この4つの原因を取り除けば、個人の失敗に関しては恐れる必要がなくなる、
といえるのです。
失敗を恐れずにすむなんて、
もし本当にそんなことが可能ならば、
わたしの人生は大分と楽になるように思います。
だっていつも自分がしでかした失敗に頭を悩ませ、
ずっと引きずって、それ以外のことなんて頭に入らなくなって…
そんな状態で生活を続ければ、追加でミスも重なっていく。
筆者は以下ようにアドバイスをくださいます。
個人のミスについて考える際にも、大事なのが、現状の「ミスを起こさないために注意して作業しなければいけないしくみ」から、「注意しないでもミスが起こらないしくみ」に切り替えていくということです。
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p34
具体的にはどうしたらいいのか、
わたしが実践しようと決めた部分をご紹介します。
◎「たいしたことのないこと」こそリストにして、脳から追い出してしまうこと
本書では、使うべきことに脳の容量を残しておくために、TO DOリストの使用を勧めています。
TO DOリストと聞けば、使い古された感じもしますが、
付箋に記載して脳の記憶領域を確保し、
終了したら剥して捨てることで
タスク終了後の爽快感を得られるとのこと。
わたしは締め切りギリギリに気づいたり、
うっかりやり忘れることが多いので、
初心に戻ってこれを実践してみます。
今すぐ取り掛からないことは、ささいなこともすべて、付箋に書き出します。
1枚の付箋につき、やるべきことは一つだけ。
書いた付箋は、重要なもの、期日が近いものが上になるように、重ねて張り直します。
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p55
◎必要最低限を見極める(忘れ物、落とし物をなくす)
わたし、荷物がめちゃくちゃ多いんです。
鞄に何が入っているか把握しきれていません。
レシートなども財布に貯めてしまうタイプです。
分かってたんです、整理しないといけないことは。
そのせいで荷物が重くて、足取りも重いことは。
でもこれが仕事の遅さに関係していたとは…。
早速鞄の中身を見直します。
ぜひ自分で、「自分の必要最小限の携行物」を考えてみてください。
すると、自分自身で管理できる量しか持ち歩かなくなり、忘れ物やなくし物がなくなるはずです。
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p71
◎仕事が速い人は皆、メールの整理・管理がうまい
書いていて嫌になってくるのですが、
わたしはメールの返信も遅いんです。
判断に迷って後回しにしたり、
別にすぐに返信できるものでも
意味もなくあたためたりしてしまいます。
挙げられていた注意事項の中でも今後は以下のことに気をつけます。
- 受信箱に貯めない
- 即答できるメールは即答する
- 相手から受け取ったメールに関しては、「全員に返信」が原則
- ミスを防ぐには1通のメールに一つの内容。3行以内に要件を記す。
メール管理力は仕事力の表れ
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p93
◎「伝達の度合い」が仕事の出来を8割変える
仕事でのミスや、思いがけない時間のロスの多くは、人との関係で起こります。
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p129
まさにこれ!!!
ここで重要なのは、自分も相手も完全ではないという前提に立つことだそうです。
これを回避するためには目標をより具体的な言葉で表現し、
確認しあうことが大切です。
上司に言われた指示は簡単な言葉に変えて言い直す。
顧客に言われた希望も別の言い方に変えて言い直す。
これを実践することで意思疎通のミスが起きにくくなるのなら、やりましょう!
◎「どうやったら失敗できるか」とあえて考えてみる
例えば、車で「人を轢く」ことを避けたい場合には、
どうすれば「人を轢く」ことができるのかを
一生懸命考えてみるといいとのこと。
その状況を作らないように考えることで、失敗を減らすことができるそうです。
本当に失敗の少ない人というのは、日頃からこのような、
「逆から見る」視点を持ち続けているのです。
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p174
ここまでやっても失敗してしまった時にはどうするのか?
でも最善を尽くしても、もしもまた失敗してしまったら?
その時にはこのアドバイスを参考にします。
その失敗は失敗できちんと検証して、さっさと立ち直ってしまうことです。
言い換えれば、もし周囲の人が失敗をしてしまったら、その人を元気づけてあげることが、
次の失敗を防ぐための正攻法といえます。
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p175
失敗したことでかえっていいことがあった、と相手に言い聞かせる言葉です。
自分の失敗に対しては、罪悪感があってなかなか言葉が出てこないかもしれませんが、
他人を励ますつもりで考えれば、何か考えつくのではないでしょうか。
『仕事が早いのにミスしない人は、何をしているのか?』 p177
自分がやらかしてしまったとき、
自分を攻め続けてしまったり、
言い訳を考えてしまったりしてしまいがちですが、
自分の大切な人がミスをして落ち込んでいる時にかけてあげたい言葉を
自分にもかけてあげようと思います。
本書を読んでの感想
ミスを減らしたい
その思いで一気に読みました。
ですから今回は特に「注意不足」による失敗をなくすことに注目しながら読みました。
指摘されていること、ほとんど実践できていなくて、
こりゃミスするのもしょうがないのかもしれない…
わたしって仕事できるつもりでいることも多いけど、
でも実は仕事できていないのでは?
指摘されていないだけで、
実はすごく仕事効率悪い面があるのでは?
と思いました。
実践してみて、改善するか試してみます。
そして最後に、失敗した際、相手に謝罪する時。
「ごめんなさい。ホニャララを失敗してしまいました。」
「ホニャララを失敗してしまいました。ごめんなさい。」
この2つの謝り方では意味がまったく変わるという指摘も心に刺さりました。
前者は謝りたいという自分の気持ち優先、
後者は相手の気持ちを尊重し、説明を先にしてから謝罪している。
自分は、前者のやり方をしていると反省しました。
相手のことを考える。
そんな気持ちがどこかでおろそかになっているのではないか。
見直すきっかけになりました。
ここに挙げた以外にも
「注意不足」「伝達不良」「計画不良」「学習不足」による失敗を防ぐための
具体的なやり方をたくさん挙げられているので、
自分の「失敗」にウンザリしている方はぜひ読んでみてください。
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